何が起こるかわからない

昨年夏に中学高校時代の友人がめでたく結婚した。
その友人とは、何度かクラスも一緒になり部活も一緒だったのだが、卒業してから連絡は一切していなかったのだが、久しぶりの連絡がおめでたい報告だったのだ。

久し振りになってしまったというのも、向こうがアドレスを変えて以来私は連絡する術がなかったし、その子はmixiやFacebookなどのSNSや、Twitterのようなことを全く出来ない子で、帰省したときに偶然会う以外に本当に関わっていない。
そんな友人が結婚することを知ったのも、もちろん当人からではなく別の友人伝いにお誘いを頂いたのだ。
結局当日まで当人に会うことはなく、結婚式当日に漸く会えたのだが、会話がまともに出来たのは三次会が終わって帰る途中の道だった。
たった五分程度の会話の際に、彼女は色々と話してくれた。
折角なので馴れ初めを聞いてみたのだが、実は私は中学生の頃にその子が熱く語る理想の結婚相手を聞いていたのですごく興味があった。
私たちはそんなガールズトークをするようなキャラクターでもなかったのだけれど、その子は何故か私にだけ理想の結婚相手を語ってくれたのだ。
まあ、それを簡単に纏める事が出来てしまう程度の条件だったのだが、「長身で、学生時代は野球をしてなくて、ハゲてない人」だった。
丁度10年くらいまえの会話ではあったが、彼女の理想は今でも変わっていない。
そしてこの度結婚することになった彼女は、見事に「自分より背が低くて、がっつり野球部で、同年代なのにかなり後退している」旦那を獲得していたから驚かされる。
「いやぁ、本当に絶対あんな真逆のタイプと結婚する気はなかったんだけど…」
という結婚式が終わった瞬間のほっとした感じで暴露されたものだから、私は返す言葉もなく聞いていた。
「人生何があるかほんとにわからないわ~」
という台詞がこれほどしっくりくることもなかなかない。
理想と現実が違うというのはよく聞く話だが、あれほど熱く語っていてもこうなるのだから、世の中本当に面白いことばかりだ。

»