私のTVデビュー

幼い時に一度、Nから始まる某テレビに出たことがあり、特集の中でインタビューをされたことがあった。
そのコメントの長さが他の人よりも尺があり、特集された人よりも長かったもんだから我が親族は一同大喜びだ。

何故そんなことになったかという経緯は、本当にラッキーだったとしか言いようがない。
その日、何があったのかはよくわからないが、近所に住む同級生の家が特集されることになった。
事前に参加する子供のメンバーを厳選されていたのだが、そもそもその中に私は入っていなかったのだ。
そんな私が棚ぼたのチャンスを貰えた理由は、当日に参加予定の女の子が1人風邪を引いて出られなくなったからという、本当にぼた餅が転がって来たような幸運からだ。
急遽誰か女の子が必要だということで何故か私に白羽の矢が立ったわけだが、何も聞かされていなかったために「とりあえず行け」と言われて渋々言った覚えがある。
行ってみると、いつもと違う大人数に圧倒されて、あれよあれよという間に私は家へと連れ込まれ、なんやかんやと言われるままに立ち位置につかされた。
何なのかわからぬままに撮影が始まり、ある程度周りの様子を撮った大人たちが、何故か私に一斉にマイクを向けてきた。
「いえ、その子は違うんです…」みたいな台詞がどこかから飛んできたが、何を気に入ってしまったのか私に幾つか質問が飛んでくる。
小学校低学年でも答えることの出来る質問に答えていく内に私の出番は終了となり、その他の人たちもインタビューを受けていたが、実際の放映に使われたのは私だけだった。
困惑したままとんとん拍子に進んだ私のテレビデビューであったが、これも1つのいい人生経験になった。

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