加齢臭も好きになる
加齢臭や汗の臭い、タバコの匂い、吐息の匂い、おならの匂いなど、その人にまつわる「におい」には色々とある。
これらのものは、相手のことを愛していれば「くさい」と感じないんだとか。
そもそも、男と女が出会うとき、良い匂いで会うように努めるのが普通だ。
女性はボディクリームや香水、ヘアケア剤などに気を遣い、香りがきつくならないようにする。
男性は、仕事のあとのデートであれば、ワイシャツを着替えたり、首の後ろを拭いたりして、臭くないようにする。
このように、恋愛の始まりには良い匂いがつきものだ。
そして、深い関係になるにつれて、身体にまつわる匂いも伝わるようになるのは自然なことだ。
でも加齢臭や汗のにおいまでも、不快に思うことは無く、「あの人のにおいだ!」とシーツの匂いをいつまでもかいでいたくなる。
臭いのに愛おしいと感じてしまうだなんて、恋は盲目に似たものがある。
そして、恋愛の終わりにもまた鼻の働きが大きく関係する。
これまで愛おしいとさえ思っていた体臭などを不快に感じるようになる。
タバコから出る煙を本気で嫌悪し、シーツや枕カバーは触るのも嫌になってくる。
これを愛おしいと思っていただなんて、あの頃の私は狂っていたのね!と感じる。
香水の香りですら憎くかんじる。
実際、元彼たちが使っていた香水の香りが私は大嫌いだ。
街中でフッと香るときに、あ!懐かしい!という思いもあるが、やっぱり不快。
良くも悪くも匂いの記憶が一番残ると言われているが、本当にそうだと思う。
私が使っていた香水なんかも、そんな風に不快に思われているのかな?と思うと少しショックだけど。
匂いに敏感
ジョギングを始めて3ヶ月が経った。
最初の頃から比べ、匂いに敏感になった気がする。
元々鼻炎持ちで、鼻が悪い人ほど運動をして鼻を通した方が良いと言われている。
お風呂にも毎日湯をためてゆったりと浸かり、鼻を通す習慣を付けるべきだそう。
適度な運動は鼻炎にも良いのか、最近は鼻が利くようになった。
キンモクセイの爽やかな良い香りがするなぁ程度には感じていたが、最近では桜が散ったあとの新緑の青臭い若葉の香りやツツジの密っぽい香りを敏感に感じるようになってきた。
良い香りに敏感になるのは良いが、それと同じぐらい深いな臭いにも鼻が利くようになった。
ジョギングで通る道に小さな川というか用水路のようなものが流れている。
この川にはなぜか自転車が放り込まれていたりと、かなり汚い。
どうしても川のそばを通らないといけないのだが、臭いがきつい日は苦痛なほどつーんと臭う。
最初の頃から臭っていたが、気がつかなかった。
雨が降ったあとは悪いものが流れたのか臭いが少ない気がする。
でも鼻が利くようになって、懐かしいなぁと感じることもある。
中学校のそばを通ると、砂と机や椅子の木のような匂いがする。
体育祭の練習シーズンだからか、生徒達が集団でグラウンドに出ている。
石灰でひいた線や、渡り廊下など、なにもかも懐かしく感じる。
その中から砂の匂いが漂ってくる。
砂は匂いがないものだと思うが、体育祭のきつい練習中に体操座りをして砂をいじっていた映像も引き出されてくる。
匂いと思い出はセットになっているなぁと改めて感じる瞬間である。
ジョギングで鼻が通ってきたおかげで、耳鼻咽喉系が良くなったのでこれからも続けていきたいと思う。