幼児の「貸して」と「いいよ」
保育園の年少さんになると、同然のように皆が言い出す言葉がある。
「貸して」と「いいよ」である。
集団で遊ぶことにトライをしているこの時期に必要な言葉なのだそうだ。
年少さんになってくると、それまでは一人で遊んでいた子供たちが集団で遊ぶようになる。
社会性が育ってきて、集団活動を学ぶタイミングなのだ。
同じおもちゃをみんなで使うという行動は、それまではなかった。
独りで遊ぶことの多い幼児が、みんなと同じ場所で遊ぶことになる。
そうなると人数分のおもちゃはないので、順番を待つという新たな動作が加わる。
順番を待つにしても、意思表示が必要だ。
そのための「貸して」なのである。
言われた側は、返事をしなかったりする子もいるが、大抵は、「いいよ」という返事をする。
言った側のほうが、この場合は立場が強い。
「いやよ」という返事もあるにはあるが、先生たちは、積極的には教えない。
協調性をつけるために、あえて、言われた側の立場を弱くしているのかもしれない。
結局少し歪みのある社会性を学んだ子供たちは、子供たちなりに、知恵をつけて新たな返事を考える。
そして、その返事の先には、貸してくれない子供と借りたい子供のけんかが始まるのである。
そんなこんなの様子を見ること自体、親たちから見ると、子どもの成長である。
今まで一人遊びしかできなかった子供たちが、今やみんなでままごとができるようになる。
それが、とっても頼もしくみえるのである。
人の子どもの成長
友人達の子どもがぐんぐん大きくなっていて驚く。
つい最近まで乳児だったのに、四月から使うランドセルを嬉しそうに背負っている姿はすっかりやんちゃな児童だ。
よその子の成長は本当に早いもので、自分も同じだけ歳を取っていると思うと少しゾッとする。
私の周りで一番最初に出産した友達は、まだ子どもが歩き出したばかりで、おむつを付けている頃から、出来ることはやらせていて、すごくいい教育だと思った。
子育て中は荷物が多いが、子どもが好きなキャラクターのリュックサックを買ってきて、それにおむつの替えやタオルを入れて背負わせていた。
自分が身につけるものは自分で持たせる教育方針で、おむつを替えればリュックサックは軽くなっていくし、荷物を入れているほうがキャラクターの顔がしっかりと見えるので、本人も嫌がらなかったそうだ。
そんな子どもは自分の身の回りのことをなんでもできるようになっていた。
責任感や頼られることの誇らしさを感じているらしく、なんでも挑戦してお母さんを助けているそうだ。
友人は若くして二児の母となったが、そんな彼女もまた、小さなことでは動じないたくましい母になっている。