健康診断は健康なことが前提

会社の健康診断で、再検査の連絡がきた。
今までにないことだったので、かなり不安になりつつも、人間ドックを受けることにした。

会社の健康診断の日にちが決まると、数日前から、少々生活を改善して、あまり悪い数字が出ないように気をつけている。
あるとき、それでは、悪いものも見つからないと思い、普段と同様の生活をしたまま、健康診断に臨んでみた。
いや、どちらかといえば、いつもより不摂生の日々だったように思う。
そして、当然のことながら、再検査のチェックがされたのである。

再検査では、チェックされたところだけでなく、本格的に人間ドックを受けてみた。
すると、今度は、ほかのところがチェックされ、専門医で再検査するように指導をうけたのである。
なんともふしぎなことだ。

そして、専門医に診てもらうと、また、同じような検査をするという。
前の結果をもってきているのに、なぜまたするのだろう。
そう思ったら、思わず医者に聞いてしまった。
なぜ、また、検査をするのですか。
前と何が違うのですか。

その答えに納得してしまったのである。
医者の答えは、シンプルかつ明確であった。
健康診断は、基本的には健康である人が受けることが前提。
だから、ベースにあるのは、健康体なのである。
しかし、専門医は、悪いかもしれないということを念頭に置いて検査する。

性善説と性悪説のような違いがある。
この答えをきいて、逆に安心して検査をうけることができた。

祖母の健康寿命

「健康寿命」という言葉をご存知だろうか。
これは、ただ単に生きている期間ではなく、自立した生活を営むことができる期間のことを意味する。
今大きな問題となっている介護者の負担を減らすために、この健康寿命を伸ばすことが推奨されている。

「寿命」とはまったく異なるものであることはよくわかると思う。
「健康である」ことが重要だ。
もっと言えば「働ける状態」であるとベストなのかもしれないが、「寝たきり」よりも「介護者の手を借りずに生活できる」ことはずっと良い状態だ。
ここで私のお婆ちゃんの話をさせてもらおう。
お婆ちゃんは80歳を超えるが、バリバリに働いている。
外で働いたことがないため、少し自己中心的な性格であることは否定できないが、畑をたがやして野菜を作り、田んぼに水を引いて稲を育て、そうして得た実りを市場に出して売りさばいている。
はたまた、ちょっとした土地を売るといったような取引のようなこともやっている。
そんなパワフルお婆ちゃんが、健康診断で身体組成計(筋肉量などを測定する機械のこと)で測ってみたところ、なんと身体スコアが80点だったのである!ちなみに、バリバリのスポーツ選手は75点程度である。
健康の秘訣はなんだろうと考えてみたが、やはり「適度な運動」かもしれない。
なぜなら、食生活は私よりも偏食だからである。
少し耳は遠くなったが、お隣さんと楽しそうに話しているのをみるとホッとする。
まだまだ健康寿命が伸びそうなお婆ちゃんに、高齢者の鏡となることを期待したい。

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